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横浜市北仲通南地区における地域熱供給事業の開始について
 ~当社19番目の新地点は、初の熱電併給プラント~ 

2020年02月03日

このたび当社は、横浜市中区の北仲通南地区において、当地区に今春移転・運用開始が予定されている横浜市の新市庁舎および隣接の既設ビル(横浜アイランドタワー)を供給先とする地域熱供給事業を開始いたしました。

ここは、1987年創業以来、東京都内を中心に熱供給事業を展開してきた当社にとって19番目の新地点であり、冷暖房用の熱と電気を供給する初の熱電併給プラントです。

新市庁舎の建設にあたっては、エネルギーの合理的かつ効率的な利用を推進し、地球温暖化防止や大気汚染防止などの環境負荷低減を図るとともに、災害時にも市庁舎機能を維持できるBCP対策を考慮し、地域熱供給(冷暖房)の導入が決定されました。

そのうえで、隣接する横浜アイランドタワーに対しても併せて熱供給を行うこととなり、その実施にあたっては、横浜市がプロポーザル方式による事業者選定を行い、当社が熱供給事業者として選定されました。

新市庁舎内に設置されたプラントは、高効率ヒートポンプに大容量蓄熱槽、コージェネレーション等を組み合わせることで、エネルギー利用の変化に柔軟かつ効率的に対応し、省エネルギー・環境負荷低減に加えて、ピーク電力低減・デマンドレスポンス対応を実施します。

また、主要な設備を市庁舎4階に設置して水害のリスクから守るとともに、電気とガスの複数の熱源機器による相互バックアップを行い、災害時においても電気と熱の供給を確保し、BCPの実現に貢献いたします。

 

<新プラント設備の主な特長>

●大容量蓄熱槽を設置(約2,800㎥)し、冷暖房用の冷水・温水を夜間に蓄熱して昼間に放熱することにより、設備容量・ピーク電力を削減、デマンドレスポンスにも対応します。また災害発生時には、蓄熱槽水を非常用生活用水として転用し、トイレ洗浄水などの雑用水として有効活用します。

●コージェネレーションシステム1,000kWを導入し、通常時はプラント内で電気を自家消費し、余剰分を新市庁舎へ供給し、非常時には横浜アイランドタワーに電気を供給します。また運転の最適化により排熱を100%利用します。

●建物側の輻射空調システムに対応するため中温度帯の冷水を供給します。気温の低い冬季は、フリークーリングの活用により省エネ性を確保します。

●横浜市の下水処理場の再生水熱を利用する水熱源ヒートポンプを導入し、未利用エネルギーを最大限活用します。

 

当社は30年以上にわたる熱供給事業の実績・経験を活かし、横浜市市庁舎を中心とした熱供給エリアでの挑戦的取り組みをさらなるステップアップの糧として、わが国の低炭素社会実現に向けて今後も貢献してまいります。